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十月二十一日。
大帝国劇場ではつい先程までパーティーが行われていた。
副支配人、藤枝かえでの誕生日なのである。


皆に祝ってもらい、美味しい物を食べて、美味しいお酒も飲んで(笑)
幸福感に浸ったかえでが自室に戻ったのは夜の十時頃。

「あぁ、楽しかった。楽しい時間ってホントに早いわ」

――コンコン

言いながら一息ついたところで、徐に窓がノックされた。

「あら、こんな時間に。・・加山くん?」
「こんばんは、副司令。夜分遅くに失礼します」

ガラリと窓を開けながら入ってきたのは月組隊長の加山雄一だった。
もっとも、こんな風に窓から入ってくるのは帝撃でも彼くらいのものなのだが。

「何か報告でもあった?」
「いいえ、今回は言伝がありまして。レニさんと織姫さんが、作戦司令室に来て欲しいと」
「作戦司令室?わざわざ地下だなんて、何かしら?」
「行ってからのお楽しみだそうです」
「・・・?まあ、行ってみるわ」

言いながらかえでは踵を返して扉へ向かう。

「あ、それと」
「なぁに?」
「お誕生日、おめでとうございます。かえでさん」
「・・ありがと」

祝いの言葉を述べて満足げに去っていく加山を見送り、地下へ向かう。


「さて、言われるがままに来てみたは良いけど・・」

明かりを点けて周りを見回すが呼び出した当人達の姿はない。
と、ピッという音と共に、通信が入った事を示すランプが点灯する。

「・・?こちら帝国華撃団。こんな時間にどちら様?」

ブゥンと音を立ててモニターに相手が写る。
遠く離れた地の仲間、それもかえでがよく知る二人だった。

「こんばんは、かえで。ごめんなさい、夜遅くに」
「無礼は重々承知だよ。だが、今回は大目にみてもらいたい」

一人は紐育華撃団副司令、ラチェット・アルタイル。
もう一人は、同じく紐育華撃団の九条昴。
二人ともかつてかえでが欧州で共に戦った仲間だった。

「元気そうね、二人とも。それにしたってこんな時間に、何かあった?」
「こちらは異常なし、至って平和よ」
「でも、僕とラチェットには重要な用事があってね」

『誕生日おめ・・「誕生日おめでとでーす!!」

二人が口を揃えて祝おうとした矢先。
織姫の明るい声が被さって二人の声がかき消される。

「・・織姫、まだ言っちゃ駄目だって・・」

その後ろには予想通りの展開にため息をつくレニの姿。

「織姫、君ってやつは・・相変わらずやってくれるね」
「ホント、織姫ってば。少し早いわよ?」


一拍おいて状況を理解したかえでは笑いながら4人に告げる。

「皆で祝ってくれるのね。ありがとう、四人とも」

「本当は僕達が言ってからレニ達が現れるって手はずだったんだが」
「あー、ごめんなさいでーす。でも、結局皆言うんだから同じでーす!」
「ごめんなさい、かえでさん。でも昔のボクらに出来なかった事、今からでもちゃんとやりたかったから・・」
「そう。昔かえでは一人ずつをきちんと祝ってくれたでしょう?」

かえでは驚きと感動のあまり泣きそうになった。

「おいおい。そんな顔をしないで欲しいな。祝いの場には相応しくない」
「・・そうね。ホントに、ありがとう」


ラチェット達が昔の事を覚えていてくれた。
一つのチームとして動いてくれた。

何よりも、この四人が揃っている事がかえでにとって嬉しい事だった。


あとがきという名の言い訳

えー、年末ですが皆さんお風邪など召されていませんでしょうか。
とてつもなく遅くなりましたが!
かえでさんの誕生日の頃から考えてたお話を。
欧州のメンバーが仲良く揃ってお祝いです。
地下司令室の使用許可は大神隊長が出しました(笑)
欧州メンバーはかえでさんと沢山絡んで欲しいなぁ・・。

些か終わりが強引ですが、欧州チームの掛け合いが書けて満足です←


今年一年、更新が亀な上に内容も薄っぺらかったですが。
閲覧してくださった皆様にお礼申し上げます。
来年はもっとかけるよう頑張りますので、どうぞ宜しくお願いします。

では、皆様良いお年をお迎えください。
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えー。なにやら放置しててすみません。

オフで環境が多少変化しまして。
付いていくのに必死でした。

気が付いたらかえでさんの誕生日が・・・・!
あやめさんの誕生日なんて過ぎ去ってるし・・・!


今度こそ更新復活します!

どうしたものか。
あのマリアの告白以来、頭の片隅に彼女の言葉が張り付いていた。

あれから一週間が経過していた。
その間にかえでも復帰して仕事も何とか通常通り。
マリアは自分に対し、今までとなんら変わらぬ態度で接している。
ずっと考えてはいるものの、なかなか答えは出なかった。


「いいのかしら・・」

夜遅く、自室で日記を書きながら誰にともなくつぶやく。

確かに彼女にはよく助けられ、自分も気が付けは彼女に頼む事も増え。
副隊長を務める彼女との接点は多いだろう。
彼女はかえでを好いてくれていて、それで・・・・。

「ああ・・。これじゃ、堂々巡りだわ」

気が付けばいつもと同じ所に考えが及ぶ事に気が付いて思考を止める。
明日も早いと、慌ててベッドに入り布団を被って眠る体制を整える。

「姉さん、私はどうすればいいのかしら・・・」

今はもう、答えてはもらえない。
分かっていてもかえでは思わず姉に尋ねて眠りに落ちた。





ふと気が付くとかえでは暖かい場所に居た。
よく周りを見回すとそれは大帝国劇場のサロン。
自分は布団に入った筈だと一瞬戸惑ったが、すぐに夢だと理解した。

居る筈のない人が其処に居たから。

かえでと同じ軍服で、自分のそれよりほんの少し丈の長いスカート。
後ろできっちりと纏められた髪は同じ色をしている。

「あやめ・・姉さん?」

自分とよく似た顔で優しげな微笑を湛えた、藤枝あやめその人だった。

「なんて顔してるの、かえで」
「そ、そりゃあ驚くわよ。夢とはいえまた姉さんと話してるなんて。大体どうして姉さんが・・」
「だって貴女、何か悩んでるんでしょう?」
「・・はぁ。姉さんの事だから何で悩んでるかも知ってるんでしょ?」

あまりにあっさりと言われてしまってかえでは隠すのを諦めた。
そういえばこの人はいつもそうだったのだ。

「マリア、ね」
「ええ・・。まさか告白されるなんて思ってなくて・・」
「それに、マリアは花組の隊員で、女性なのよ」

ソファに腰掛けながら、姉の方を向く。

「かえで。貴女はホントに昔から変わらないわね」
「そ、そんな事・・!」
「変わらないわ。立場と周りを気にしすぎて、自分の本心を押さえ込んでる」

隣に同じように座った姉と正面から視線がぶつかる。
いつもの目がかえでを見つめる。
知っている、そして、理解している目。

(ああ、やっぱり姉さんに隠し事なんて不可能だわ。)

「だって、好きかどうかなんて・・。気にはなるけど、でも」
「考えすぎないで、自分に正直になればいいわ。無理すると辛いわよ?」

額のあたりにツンと軽い衝撃が走る。

気が付けば姉は自分の前にしゃがみ込んで顔を覗き込んでいた。
昔、よくされた仕草。姉のお得意だった。

「そう、ね。マリアと話してみるわ」
「ん。よろしい」
「ありがとう、姉さん」
「どういたしまして。頑張ってね、かえで」

すっと立ち上がったあやめが踵を返す。

「姉さん!!」

ふと掻き消えた姉の残像に思わず叫び、そこで目を覚ました。




「はっ!・・今の、本当に夢なのかしら」

ベッドから身を起こし、まさかと思いサロンへ足を運ぶ。
サロンのベランダの前には見慣れた長身と金髪。

「・・マリア」
「ああ、かえでさん。眠れないんですか?」
「ええ、ちょっと、ね」

決めた。ぐらついてしまう前にちゃんと話そう。

「あのね、マリア」
「はい」
「本当に、私のこと好き?」
「ええ、勿論です」
「あやめ姉さんと似てるからじゃなくて?」
「似てるからじゃなくて、です」

マリアの目を正面から見て、言った。

「私、貴女のことが好きとか、正直まだよく分からないけど」

「・・・それでも、いいかしら?」

言った後、急激に恥ずかしくなって思わず顔を伏せる。
と、唐突に体が引き寄せられ、気が付けばマリアの腕に収まっていた。

「良かった。断られるんじゃないかと思ってました」
「え、えと、流石にちょっと驚いたけど・・」
「ありがとうございます、かえでさん」
「・・あっ!ねえ、マリア。部屋に行きましょう!ね、此処に居たら風邪ひいちゃうわ」
「そうですね。じゃあ、かえでさんの部屋に」
「ちょ、マリア!いきなり・・」

抱きしめられた状態から抱え上げられる形で自室まで連行されながら。
姉はどうやって彼女と付き合っていたんだと考えをめぐらすかえでであった。

それでも気持ちは穏やかでたまには正直も悪くないかと思ったり。

(姉さんと貴女は一体どんなだったの?)
(大切なんです。あやめさんも、貴女も)
(二人とも、ちゃんと見てるから)

 



あとがきのようなもの

・・・何ヶ月ぶりでございましょうか。
大変、大変ご無沙汰しておりましたーー;
『あの人と貴女』完結でございます。

どうしてもあやめさんを出したくて。
ちょっと強引な流れになってしまった感がありますが。
何とか完結させることができました。

ちょっとオフが忙しくてPCに触る暇が持てずにずんずん時間が経ってしまって・・。
待ってくださってた方、ありがとうございます^^
これからまた更新ペースを上げていけたらと思います。
今回は頂いたメッセ返信です。
毎度ながらお待たせしてスミマセンーー;

くらゆき様
初めまして。
そして凄くお褒め頂きましてありがとうございます^^
やっぱり、一度は書いてみたいと思いますよね(笑
ただ、重要な部分なだけにかなり悩んで、推敲してるのは確かです。

続きの件、ご意見ありがとうございます。
もう少し時間がかかってしまうかと思いますが頑張ります。
では、メッセありがとうございました!

塩絡み様
初めまして。いきなりバトン投げちゃってスミマセン^^;
そしてサイトにお越し頂いてたとは!
嬉しいです、ありがとうございます><
バトンも受け取って頂けただけでもありがたいです。
もし、宜しければリンクを貼らせて頂いてよろしいでしょうか?

更新も亀ペースではありますが頑張ります!
では、メッセありがとうございました><

わとこ様
ご無沙汰しております^^
バトン、楽しく答えさせて頂きました。

「あら、どうしましょう」、愛さんボイスですか!
頑張った甲斐がありました(笑
キャラ口調は難しいですが考えてるのがちょっと楽しいです。

更新の方もなるべく早くできるよう頑張ります。
時々覗いてくださると嬉しいです。
では、メッセありがとうございました!


お返事が遅くなりまして申し訳ありませんーー;
マリがえの方も現在頑張って進めておりますのでもう少し・・。
お三方、メッセありがとうございました!

『口調指定バトン』
恐れ多くもかえでさん指定です。

‐ルール‐

●バトン回す人5人選択!
●バトンまわしたら次の人に連絡ww
●まわされた時点で5日以内に書く
●口調キャラは指定
●5日以内に書かなかったら罰ゲーム

回す人

あら、どうしましょう。回せる方が5人もいないわ。
とりあえず回せる方に回させて頂くわね。

・くらゆきさん
・塩絡みさん

・・・被ってはいけないし、このお二方くらいかしらね。

この中の5人ではじめて出会った人は?

うーん。誰にもお会いした事はないのよね。

5人のイメージカラー

・くらゆきさん→オレンジみたいな明るい感じかな。
・塩絡みさん→原色ではない感じね、水色かしら。

直接会った事がないから想像でしかないけど、よかったかしら?

5人と喧嘩したことある?

ないわね。お二方に限らず皆さんとても良い方たちだと思うわ。

口調キャラ

・くらゆきさん→ラチェットとかどうかしら?
・塩絡みさん→あやめ姉さんで見てみたいわ。

なかなか難しいわね・・。
こんな感じで良かったのかしら。
もし、お暇があるようなら答えてみてね。



難しいですねぇ^^;
かえでさんでお送りしました。
そして此処をご覧になっているか定かではないのに。
私が勝手に存じ上げているだけかもですが、塩絡みさんに回してしまってます。
ご法度な気がしますが、申し訳ありませんーー;
もし此処をご覧になっていてもう回されているようでしたらスルーして頂いて結構でございます。
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