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10月21日。
爽やかな秋晴れに恵まれた日の大帝国劇場。
サロンに花組が集まり何やら相談している。


「かえでさんとマリアは出掛けたかい?」
「夕方までは戻らないと伺いましたわ」
「はーい!アイリスね、ケーキ作る!」
「私もそれを手伝いまーす。レニもそれでいいですかー?」
「うん、了解」
「ウチはさくらはんと考えがあるんや」
「もう少しで完成なんです。ね、紅蘭」
「あたいは料理かな。とっておきの沖縄料理をご馳走するぜ」
「私は、飾り付けですわね。プレゼントはもう用意してありますの」

それぞれが役割分担して慌しく動き始めた。
ふと、すみれが後ろを振り返り大神に尋ねる。

「ところで、少尉はどうなさいますの?」
「俺は今日のかえでさんの仕事を請け負ったんだ」
「そうですの。頑張って下さいね」
「ああ。時間があれば飾り付けを手伝うよ」
「まぁ、それは助かりますわ。では少尉、後ほど」


厨房からはアイリス達の楽しげな声や、カンナの軽快な包丁の音が。

「綺麗に焼けましたねー!完璧でーす!」
「ね、レニ。クリームってこれ位でいいかなぁ?」
「うん。そうだね。こっちもフルーツ切れたよ」
「じゃあ、デコレーション開始でーす!」

「よーし、ゴーヤはこんなもんか。これで炒めて完成だな」

紅蘭の部屋からは幾度かの爆発音とさくらの悲鳴が。

「きゃあ!今度は何!?」
「あっちゃー、ここの配線間違うてるわ。これはこっちで・・」

そんな喧騒をBGMに支配人室では大神が必死でペンを走らせて。

「かえでさん、いつもこんなにこなしてるのか・・」
「あやめくんもそうだったが、優秀だからなぁ」
「・・よし、これで最後だ!」
「お、終わったか。じゃ、俺はマリアに連絡しとくぜ」

楽屋ではすみれが飾り付けに勤しんでいる。

「テーブルはこんな感じですわね。高い所は少尉にお願いしようかしら」
「すみれくん、手伝いに来たよ」
「まぁ、少尉!丁度いい所にいらっしゃいましたわ!」


一方、かえでとマリアは・・

「すみません、かえでさん。買い物に付き合わせてしまって」
「いいのよ。私も久しぶりに色々まわれたし」

―――ピピピピッ

「あら、キネマトロンに通信?」
「えぇ。そのようです。ちょっと失礼します」

『マリアかぁ?米田だが。』
「支配人。では、もうそろそろですか?」
『おう、もうじき準備が終わるからそろそろ帰って来い』
「了解しました。ではこれから戻ります」

かえでに聞かれないように少し離れて通信を受ける。
時計は4時を示しており、確かに帝劇に戻るには丁度いい時間だった。
キネマトロンの通信を切りながら急いでかえでのところへ戻る。

「あ、マリア。通信は何だったの?」
「米田支配人です。暗くなる前に帰って来いと」
「随分過保護ね、支配人ったら」
「まぁ、のんびり戻りましょう。そんなに遠くありませんし」


そして、帝劇では丁度その頃全ての準備が終わった所だった。

『出来たー!!』

「かえでお姉ちゃん喜んでくれるかな?」
「当然でーす。私が手伝ったんですからねー」
「頑張ったね、アイリス」

「うん、出来た!楽屋まで持ってかねぇとな」

「よっしゃ、出来たでさくらはん!名付けて「お疲れ様くん」や!」
「よかったー。間に合ったわね、紅蘭!」

「すみれくん、こんな感じでいいかい?」
「結構ですわ。これで完成ですわね」

「おーい、おめぇら!かえでくん達が帰ってくるぞ!!」
『はーい!!』


「思ったよりのんびり帰りすぎたかしら?」
「いいえ、大丈夫だと思いますよ」

マリアが玄関の扉を開けながら言う。
かえでは首を傾げながら視線をそちらへ向ける。
扉の先には花組が勢ぞろいで待っていた。

『かえでさん、お誕生日おめでとう!!』

すっかり忘れていたらしい当の本人は目を丸くして驚いている。

「誕生日おめでとうございます、かえでさん」
「おめでとう、かえでくん」

マリアと米田が花組の後に続き、そこでようやく思い出したかえでが満面の笑みを浮かべた。

「ありがとう、皆」

そのまま楽屋へ移動し大宴会。

「ケーキはね、アイリス達が作ったんだよ!」
「あたいは沖縄料理だ。ゴーヤチャンプルーって言うんだぜ」
「私と紅蘭からは「お疲れ様くん」です」
「書類なら全部終わらせましたから、大丈夫ですよ」
「私からのプレゼントはお酒ですの。日本酒とか洋酒、色々ありますわ」


皆が食べて、飲んで、騒いで。
その日、帝劇の明かりが消えたのは随分と遅い時間だった。
部屋で日記を書いていたかえでは控えめなノックの音に顔をあげた。

「どうぞ、開いてるわよ」
「夜遅くにすみません」
「・・・・やっぱりマリアね」
「分かっていたんですか?私が来るって」
「何となく、ね。貴女一人だけ何もしないなんて事ないでしょう?」

かえでは笑顔でマリアを迎えた。
マリアもまた笑顔で花束を差し出した。

「誕生日、おめでとうございます」
「・・・・ありがと。せっかくだし、少し飲んでいかない?」
「あら、すみれに貰ったワイン。いいんですか?」
「だって、一人で飲んでしまうには勿体無いんだもの」

――それに、誰かと一緒に飲んだ方が美味しいでしょ?



あとがき的なもの

『白鷺遊戯』様のイラストを見て思いついたSSです。
かえでさんの誕生日に花組がこっそりパーティー企画。
紅蘭の発明品の名前は勝手につけちゃいました←
米田さんは知ってて黙ってたんですよ。
かえでさんは仕事で忙しくて自分の誕生日忘れてた、と。
会話メインの話にしてみたんですが・・読みづらいでしょうか^^;

拙いですが、相互リンクしていただいたお礼も兼ねて『白鷺遊戯』様に献上致します。
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