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日本、帝都。
数日前から久しぶりに故郷に戻ってきていた。
とは言え、明日にはまた欧州へ戻ってしまう。

だが、かえでは姉の呼び出しを受けて実家に向かっている。

(姉さん、わざわざ実家に呼ぶなんてどうしたのかしら・・?)


「ただいま。姉さん、居る?」
「あら、かえで。お帰りなさい。久しぶりね」
「姉さん!わざわざここに呼ぶなんてどうしたの?」
「・・・とりあえず、部屋まで来てもらえるかしら」

要領を得ないまま、あやめの部屋まで連れ立って歩く。
部屋に入って一息つくと唐突にあやめが切り出した。

「今、帝都で起こっている事は貴女も知ってるわよね」
「ええ。降魔が出たんでしょう?昔みたいに」
「そう。それでね、かえで。貴女にお願いがあるのよ」
「私に、お願い?」
「貴女に、白羽鳥を預かっていて欲しいの」
「え・・姉さん、それは・・」

藤枝家は二剣二刀の一つ『神剣白羽鳥』を代々受け継ぐ。
元より霊力を持つ者が多く、『藤の一族』と呼ばれる名家である。
そして姉あやめは、白羽鳥を継ぐ者、藤枝を継ぐ者として育てられてきた。

そんな姉が白羽鳥を預かってくれ、などと。

「嫌な予感がするのよ・・杞憂ならそれに越した事は無いんだけど」
「それなら、ここに預けておけばいいんじゃない?」
「ここにあるより、貴女が持っていた方がいい気がするの」

そして、あやめはとんでもない事を口にした。


「もし、私の身に何かあったら。貴女がこれを継いで」
「何言ってるの、姉さん!継承者は姉さんなのよ!?」
「だから、何かあったらよ。私に次いで霊力が高いのは貴女でしょう?」
「そうだけど、でも!!」

姉の身に何か、なんて考えたくも無い事だ。

「こんな事言いたくはないけど」
「これは姉としての頼みであって、神剣白羽鳥継承者としての頼みでもあるのよ」
「白羽鳥継承者の、頼み・・」

普段はそんな言い方をしないあやめが。
「継承者」で「後継」という力を誇示するような言い方を嫌う人が。
あえてその言葉を使ってまで、頼んでいる。

それを、断るなんて。
かえでには、出来ない事だった。

「継承者として、貴女に神剣白羽鳥をお預け致します」
「・・・確かに。お預かり致します」

その部屋に、静寂が訪れる。
張り詰めていた空気が僅かに緩んだ時、あやめが言った。

「ごめんなさいね。渡すなら此処でと思ったから・・」
「本当に、預かるだけなんだからね?解決したら連絡して頂戴」
「ええ。勿論その時はちゃんと伝えるわ」

かえでは、時計を気にしながら立ち上がって、

「姉さん、私そろそろ戻らなきゃ。明日また欧州へ戻るのよ」
「あら、ゆっくり雑談も出来なかったわね」
「でも姉さんも用が済んだんだし、帝都に戻るでしょう?」
「そうね。じゃあ、帝都までは一緒に行きましょうか」


そうして、あやめが支度を整えるのを玄関で待つ。

(そういえば、二人がそろって玄関を出るなんて随分久しぶりだわ)

ふと、そんな事を考えながら少し気恥ずかしくなる。
姉の隣を歩くのは子供の頃から数えても少なかったと思う。

「お待たせ、かえで。行きましょう」

それから駅までの道、列車の中、かえでが宿泊しているホテルの前まで。
数年ぶりの姉妹水入らずである。

ホテルの前まで来た時、あやめが口を開いた。

「それじゃ、かえで。仕事頑張って。白羽鳥の事お願いね」
「ええ、姉さんも。大変みたいだけどあまり無理はしないでね」

ありがとう、じゃあね。と言いながら帝劇の方へ向かいかけるあやめ。
その背に向かってかえでは思わず呼び止める。


「姉さん!」
「なぁに?かえで」

神妙な顔をしている妹に驚きながら振り返る。

「・・・御武運を」

敬礼しながら言うかえでに、あやめも敬礼を返す。
そして再び帝劇の方向へ歩き出した。
かえでもまた、あやめを見送ってからホテルに入る。

それぞれに、強い想いを抱えながら。

(貴女を、貴女の居るこの帝都を、守る)

(大丈夫よ。姉さんは強いもの。ねぇ、白羽鳥?)



あとがき的なもの

えー、藤枝姉妹でございます。
2でかえでさんが白羽鳥持ってたからちょっと想像したら。
きっとあやめさんが直に預けてるんだ!なんて思って。
ちょっと展開が急ぎすぎでしょうかね・・。
短くても、愛はあります、愛は!←
どうしてもシリアス路線に走ってしまいますねー。
でも、姉妹はお互いの事をちゃんと考えてるんだって話が書きたかった。

時間軸は夢に殺女が出始めた頃か、その直前くらいか。
はい、あやめさんの予感は当たってしまいますーー;
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